□いつでも、
1ページ/6ページ

1000HITキリリク伊藤さん


双人アブノーマル



いつでも、





「あ」


事の起こりは一時間前、人識がリビングでビテオやDVD、写真集の整理をしていた双識の、一番大切なビデオにココアをぶっかけた所から始まる。



「人識ぃっ、てめっ何やってんだボケェエぇぇェえッ!」

「うわっ、たかがビデオの一本や二本でキレんなよっ。っつうか何でここに持ってくんだよ、部屋でやれって!」

「今俺の部屋は、他の荷物でいっぱいなんだよ!……おほんっ、いいかい人識。このビデオテープは私の一番、いっちばぁん大切なビデオテープなんだよ」

「……………へっ、へぇ〜〜〜」

人識は一番大切な、という言葉に動揺する。
ただでさえ双識の物を壊して良い記憶はない。それで一番大切な物と言われれば、自然と身構える体勢になる。


「世界で一本しかない貴重な物なんだよ、コレは」

「一本しかない…?」

「そう、コレは私が盗撮したビデオだからねっ」

「…………………」

双識はビテオに収められていた可愛い子の自慰や、セックスシーンについて熱く語っている。

人識は自分が殺人鬼だという事を忘れて、警察に駆け込みたい気持ちになっていた。

そして双識は語り終えるとニッコリ微笑み
「この代償は人識の体で払ってもらうからね」

「はっ、え、あっ、ちょ、えぇえぇぇぇっ!」





そして現在に至る。

人識の部屋。


「さ、人識このカメラの前で自慰してごらん。うふふ、緊張しなくていいよ。ここにジュースとケーキ置いておくからね。
食べて落ち着いたらしなさい」

問答無用で人識に自慰を強要する双識。

「ううう、ホントにやんの?」

「だ〜め。やらないと公開プレイだからね。じゃあ、私は30分くらい出て行くから。見られたくなければそれまでに終えるように」

双識はテーブルの上に1.5gのコーラとコップ、ショートケーキ、モンブラン、ガトーショコラ、アップルパイを置き、ベッドに座る人識の頭を撫で極上の笑みを浮かべながら、部屋から出て行った。


「ちっくしょーっ、兄貴め、絶対ぶっ殺す…!!」

人識はビデオが回っている事も忘れブチブチ文句を言うが、やっぱり気になるジュースとケーキ。
ゴクリと咽がなる。

「…食おう。はむっ、ゴクゴク…ぱくり…ぐびぐびぐび…ん、うめぇ〜♪」

ジュースもケーキも豪快にたいらげる。1.5gのペットボトルには一滴も残ってはいない。

「ちぇーっ、こんなんじゃ足りねぇっつの。はぁ――――、さっさとオナって終わらせよ」

ジーンズを脱ぎ捨て、カメラに向かって足を開く。

「っつっつも何、オカズにすっかなぁー。
いきなりオナれっつっても…」

目を閉じながら何かないかと考える。
真っ暗な思考の中に浮かぶのは

『人識…』

「!!!」

ドクンと胸が高鳴る。思考に浮かぶは先程まで居た、双識の顔、声。
自分を好き勝手に犯す、血の繋がりのない兄の幻影。
思い出すのは前回の逢瀬。生クリームを身体に塗られ、更には体内にまで。
人識が泣いて止めてくれと懇願しても、双識は生クリームの入ったチューブを後孔に挿入し…

「うわあぁぁぁああああっ、忘れろ、俺!」

人識は顔を真っ赤にさせながら、白く染まった髪を左右に振り乱す。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ